ワンマンズ・ドリームⅡが幕を閉じた
2019/12/13
東京ディズニーランドのショーベースで行われていたショー
“ワンマンズ・ドリームII - ザ・マジック・リブズ・オン”が15年の公演期間を終え、幕を閉じた。
※2019/12/16追記
公式HPのリンクが削除されていました。さようならワンマン永遠に……。
- “ワンマンズ・ドリームII - ザ・マジック・リブズ・オン”が15年の公演期間を終え、幕を閉じた。
- どんな内容のショーなのか
- それまでにあった個人的に辛かったクローズ
- ワンマンが私を救ってくれた
- ワンマンの思い出
私はこのショーが大好きで、これが発表された2018年の9月、とてつもないショックを受けた。
同時に(そうだよなあ)とも思った。思いのほかすんなり受け入れることができた。
OLC(オリエンタルランド)の今後の予定とかアトラクションの閉鎖とか、なんとなく流れ的にそんな気がしていたからである。
当時、TDR(東京ディズニーリゾート)ではかなりの大改革が行われていて、同年の6月には“東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト”なんてものも発表されていた。
ちなみにショーベースというのはディズニーランドのトゥモローランドにあるショー鑑賞スペースで、“舞浜の成人式に使われるあの場所”と言うとわかりやすいかもしれない。そこの話です。
どんな内容のショーなのか
座って観劇できるショーで、かなりの人数のキャラクターやダンサーが出てくる。
場面切替や衣装切替もかなりあり、大規模な美術セットの入れ替えも激しい。
モノクロな世界で、ミッキーがミニーの家に行くところから始まる。
二人がキスをした瞬間に花は色づき、そこからショーがスタートする。初めて観た人は思わず『わぁっ』と歓声を上げるシーン。
♪
ワンマンズドリーム
幼いころの夢を心に蘇らせる
みんなに誘いかけるよ 素敵なファンタジー
夢の世界が広がる
ミッキー、ミニーをはじめとした、ディズニー好きでなくても知っているようなキャラクターであるグーフィー、ドナルド、デイジー、チップ、デール、プルートが出る。所謂BIG8である。
ピノキオ、ピーターパン、そしてこのショーにしか出てこないレアキャラであるバグズライフやターザンとジャングルブックのゴリラ達(ゴリラタイムって呼んでた)、
プリンセス枠ではシンデレラ、オーロラ姫、白雪姫
ヴィランズではフック船長やスミー、マレフィセント、白雪姫からは魔女、そして大好きなフロロー判事。原作ではめちゃキモオジサンなのに対し、このショーではあり得ん転生イケメン美少年になっているのが特徴で、私もワンマンのせいでフロローが好きになってしまった。
クララベルカウ、スティッチ、メリーポピンズからペンギンウェイター……。
まだまだいるけどかなりのキャラクターが出演していて、オリジナルキャラクターや、ダンサー扮するハリウッド女優やパパラッチも凄く魅力的で人気が高い。
舞台上ではステージを利用した場面の切替があり、炎やスモーク演出もかなり素敵。
モノクロ→オープニング→ゴリラタイム→アリタイム→ピーターパン→ヴィランズ→オーロラのキス演出→プリンセスタイム→ドナルドの映画4本同時撮影タイム(狂ってる)→ハリウッドタイム→ミッキーが出てきて1stフィナーレ→2stフィナーレ
という流れ。盛りだくさんすぎるし、これを観たらチケット代の元が取れる。
公演時間は約30分。
♪
ミッキーマウス、誰もがどこでも知ってる
ミッキーマウス、君ほどのスターはいない
みんなを幸せにする 素晴らしいミッキーマウス 輝くスター
本物のエンターテイメント なんでもできる
君はいつもヒーロー 可愛いミニーマウスも夢中
歌い踊り誘いかける 夢の世界へ
ミッキーマウス 世界の恋人
それまでにあった個人的に辛かったクローズ
この数年間、ワンマン公演終了までにはワンマン以外でも悲しいお別れが多かった。
正直関係ないので読み飛ばしてもらって構わないです。昔はよかったと繰り返してしまう、ただ大っぴらには言えないからこういう機会に書き出す。
そういうオタクの記事です。
2015年
TDS(ディズニーシー)のロストリバーデルタ、ハンガーステージという屋内ショー鑑賞スペースで行われていたショー“ミスティックリズム”が公演終了。
ディズニーキャラクターが一切出ないものの、楽器隊の迫力ある生演奏(フルートとかあって他のショーとは一線を画していた)や劇団四季ばりのガチすぎる演者のパフォーマンス、
火や水を使用し、天井から吊るしたロープでのアクロバティックなパフォーマンスなど金の掛け方と幻想への誘い方は流石ディズニーと、かなり感動した大好きなショーだった。
曲もめちゃくちゃ良い。猫叉Masterみたいなかんじです。
2016年
この年はもう生きる希望を失いかけた。
ディズニーリゾートで群を抜いて好きな最高のアトラクション“ストームライダー”がクローズ。(クローズ=終了)
これはTDS完全オリジナルの内容で、TDSの各テーマポートと物語が繋がっている公式の裏設定もある。
ファンもかなりいて、老朽化した訳でもないこのアトラクションを潰してまでニモというキャラクター物のアトラクションにする意味がわからなかった。(今もわかんない)
この話は本当に長くなるから書かないけど、この世に一つしかない最強の自分が大好き過ぎるアトラクションがこの先一生体験出来なくなるなんて、辛くない訳がない。
どんな体験よりもストームライダーが勝るし、私の好きな物全てが詰まったアトラクションだった。
“ディズニードローイングクラス”という、入ってすぐの商店街・ワールドバザール左手の店舗でディズニーの絵を教わることのできる、絵画教室みたいな体験型アトラクションがクローズ。
これも個人的に大好きなところで、インパ(入園)した時にはいつも行っていた。
お土産に貰える、消しゴムで消せない書きづら過ぎる鉛筆と自分の作品を帰って眺めるのが好きだった。
2017年
“グランドサーキット・レースウェイ”がクローズ。誰もが幼少期、あのゴーカートに乗ったことがあるんじゃないのかと思う。
提供はブリヂストンで、タイヤメーカーが関わっていることに子供ながらに感動した。
アクセルに足が届かなくて親に踏んでもらった記憶や、夜のグーフィーの家の裏のあまりの暗さに恐怖心を覚えたこと、
一周してスタート地点に戻ってきたときの眩しいくらいのライトの明るさに安心したこと、全て鮮明に覚えている。
もし子どもが出来たら絶対に運転してもらいたいな、なんて思っていた矢先のクローズである。仕方ない。古いしガソリン使うしね。
ファンタジーランドの大改革も発表され、一体この先どうなるのかと不安と期待が混じる。
そして覚える『ショーベースにもその手は回るよな』という気持ち。
グラサン横のジェット機を模したアトラクション“スタージェット”もクローズし、
トゥモローランド一帯が未来都市ではなく、ファンタジーランドに侵されていくような気がした。
SSコロンビア号(タワテラの近くのあの白いでっかい豪華客船)の前で行われていた“テーブル・イズ・ウェイティング”というショーが公演終了。
海パ(ディズニーシーの年パス)を持ってる人は絶対このショーかBBB(ビッグバンドビート、ミッキーがドラム叩くやつ)のオタクだったし、このショーに人生狂わされた人間は数えきれないんじゃないか。
2018年
“セイリングデイ・ブッフェ”がクローズ。
SSコロンビア号の出航記念パーティーを行っている、という設定のブッフェスタイルのレストラン。
ここで掛かっていた曲も、空気も、雰囲気もメニューも全てが大好きだった。
各国の料理が並んで、世界を繋げてくれるような演出も、ワイワイしたテーブル席も本当に大好きだった。
色んな思い出の詰まった大切なレストランだった。
ストームライダークローズの頃から思っていたけど、もう私の思い出のディズニーは無いんだろうな、とこの辺りで諦める。
“ミニー・オー!ミニー”が公演終了。
これはアドベンチャーランドという場所のシアターオーリンズで行われていたショーで、名前の通り“ミニーガチ勢がミニーの為に作ったマジミニー最強すぎ”みたいなショーで、2004年のショー開始から根強い人気を持っていた。
このショーが終了する時もかなりの混乱が起き、現実を受け入れられないファン(オタクではなくファンとしておく)で埋め尽くされた。
このショーが終了したあと、この場所では新たに“レッツ・パーティグラ!”というショーが始まり、内容は違えど観られるキャラクターも人気キャラクターが追加されるなど、
正直ショーベースとしての再利用に努めていて、ファンもまだ受け入れられるものとしての発表なんじゃないのという気がする。
ワンマンが私を救ってくれた
ワンマンはそんな、TDRから離れつつある私の心を繋ぎ止めてくれていた唯一の場所だった。
中学から高校入学までの約3年間、今の比ではないくらいに本当に心が病んでいてガチの鬱だった。
鬱からなんとか脱却しはじめた高2の頃に観たワンマンズドリームⅡ。
曖昧すぎる記憶だけど、ワンマンを観て、あまりの感動に涙がボロボロ出た。
夢のなかにいるような没入感、ふわふわとしたあの感覚。
全てが幸せで、まるで物語の中の一員として“夢の国に来た”と感じさせるような迫力。
現実とイマジネーションの境界線が曖昧になる不思議な空間。
♪
ワンマンズドリーム
創り出したディズニーランド みんなを楽しませる
素敵なお城で過ごす楽しいホリデー
不思議な世界が時を忘れさせる
ワンマンズドリーム
星に願いをかけること 教えてくれた
七色の虹は 愛を光り輝かす
幸せがみんなを待っている いつでも
現実にこんな幸せな空間があるのかという安心感。
いつも2ndフィナーレで『頼むから終わらないで』と思っていた。
そして終わる度に、絶対またここに来て、魔法の世界に招待してもらおうと思った。
生きがいと言うと大げさだし、もっと通ったりしたファンは数えきれない程いると思う。
だけど、私の中ではとても大切な場所で、ここに来れば全てが報われる気がした。
この歌詞にどれだけ救われたか。 あのショーにどれだけのパワーを感じたか。
優しく全てを包み込んで、受け入れてくれる空間。夢にまで見たフィクションの世界。争いのない素晴らしい世界。どんなに辛いことがあってもミッキーが、仲間たちが、ディズニーランドが私に寄り添ってくれた。
もしかしたら宗教に近いのかもしれないし、ミサなのかもしれない。
でも、このショーはもう終了してしまった。
涙止まんない。
ストームライダーが私にとっての冒険心、チャレンジと再挑戦の志となるものであれば、ワンマンは私の心を癒してくれる、子どもの頃と同じ純粋な気持ちに洗い流してくれる唯一無二の存在だった。
大好きだ。愛だ。こんなに素晴らしい気持ちをくれたことを一生忘れない。
ワンマンの思い出
ワンマンとの個人的に濃かった思い出を少し最後に書いて終わろうと思う。
- ハロウィンの時期にワンマンに出てくるスタイリストさんの格好をしてワンマンを観た。
クオリティはさておき、大好きなショーだけど一回観ただけじゃあんまり気づかないような配役の格好で観れたことがとっても嬉しかった。
気付いてくれたキャストさんとか、ワンマンのお客さんとかがいて、どれだけこのショーが愛されているかを改めて感じた。
ワンマンズ・ドリームⅡのスタイリストさんモドキ仮装インした~!!!ミッキーのウエスト測る事になるグリはこの先一生無さそう… #Dハロ #仮装 #ワンマン pic.twitter.com/KwhFGXJ7Z7
— こめ (@Pik0me) 2018年10月8日
- 友人らと炎天下の中、自由席一番目で数時間並んだにも関わらず、システム不調でピーターパンが始まる前に強制退出させられた。
これは最悪だった。1時間くらい気持ちが戻らなかった。本当に意味わからなかった。
この為にインパして、汗だくで並んだのに謎の強制終了。
30分のショーの中で見られたのは若干のミッキーとゴリラとアリ。今では笑えるけど一生忘れないからな。 - ヤバい見切れ席で何も見えないワンマンを味わった。
ゴリラアリタイムで強制退出させられたあと、もう一度並んだものの既に列が形成されており、なんとか入り込めた席は超見切れ席だった。
異常な程に観れなくて、これじゃ何も観てないのと変わらないだろと思った。
昨日のワンマンズドリームⅡ見切れ端席のようす pic.twitter.com/4usGaiZ1e9
— こめ (@Pik0me) 2019年5月26日 - ノミのシャッターチャンスを狙うのが流行った。
バグズライフのシーンでサーカスの団長であるノミ(ぬいぐるみ)が大砲で発射される場面がある。
そこの宙に浮いたノミの写真を撮影し、『目線キタ!』とか騒ぐのが楽しくて仕方なかった。
- 白雪姫の魔女変身シーンのスモークで遊ぶ。
友人が綿あめ食べてるような写真を撮ったのが原因。
以来面白写真を求めて謎に魔女の画像が増えてしまった。 - フロロー判事が好きになった。
前述のフロローが原作と違ってかっこよくて、写真をバシャバシャ撮るようになった。
かなり罪深い男・ワンマンのフロロー。またいつか会いたいぜ。
- 友人が面白写真ばっかり撮る。
中でもお気に入りはこちらです。暗闇に飲まれるプルート。(無加工)
一体どうやったらこんな写真が撮れるんだよ。
真里亞へ これ載せたらまずかったら言ってくれな、(微笑
最終日は徹夜組(禁止行為)が前日の19時からスタンバイしていたそうな。
そして7:30、全ての公演の整理券が無くなったらしい。
まだ開園してないのに終了だって。
アーリーエントリーという、ホテル宿泊者向けの早めに入れるプランの資格を持った人だけが整理券をGETできた模様。
見納めを特にせず過ごしていたので現実味がなかったものの、公式からの終了アナウンスで一気に悲しくなった。
15年という長い間、公演続けてくれてありがとう。
いつかまた観たいです。
ありがとうワンマンズドリーム。大好きです。
そしていつか…映像ディスクを販売してくれ~~~!!!!!(土下座)